2021.08.18ブログ
【Q&A】施⼯上(制作上)のできること、できないこと明確にしておきたい。
今回はこのようなお問合せがありました。
Q.施⼯上(制作上)のできること、できないこと明確にしておきたい。また、パネル⾃体の強度検討や補強対策あるいは留め付け⽅法。
①例えば、先⽇送った写真の施⼯例。⽬地納めをシールではなくサヤ状にしてある程度⽔が⼊ることを前提とした納まりとする。というアイデアまでは設計どおりうまくいったが、実は横線のプレスはパキッとした感じではなく、もっと緩やかな丸い感じでイメージしていた。そういうプレスは難しい?
②写真で謎のブロックを貼り付けていたが、実はこれは急遽⼊れた苦⾁の策。パネル⾃体は裏打ち補強材を⼊れていたが、パーツのジョイント部で補強が切れるので取り付けた際に、ジョイント廻りを⼿で押すとダワダワと動く。上下で下地にがっちり留めているので落下することは無いが、常に⾵などの外⼒を受けるので微妙な揺れが10 年15 年後にどんな悪影響があるか判らないので、急遽現場で指⽰をして、ジョイント部に裏側の押さえ(凹み⽌め)としてスタイロを貼り付けた。
こんなことが現場取付時ではなく、施⼯図の段階で協議できると良かった。そのため、パネルの構造的な計算(あるいは補強の程度)を相談できるところがあると良いとは常に思う。建築構造設計者は建物フレームの計算が専⾨なので、こういうパネルの振動とか挙動は不得⼿。⼀⽅、⾦属加⼯者は数値的な裏付けを出せるところはほとんどなく、経験則での協議にしかならない。
Q1. 製品の仕上がりがイメージとはちがっていた
穏やかな丸い感じをイメージ=通常の板曲げですと曲げ部分は板厚Rが標準になります。しかし、丸みを出す場合はR金型を使うことで曲げ端部のRサイズを変えることができます。
※各会社さんによって保有金型の関係上出来る出来ないがあります。
弊社が保有している通常の曲げ金型(上型)の先端はR0.2ですが、先端Rを~10Rなどの専用金型にすることによって曲げの表情を変えることができます。
それ以上大きい曲げRにしたい場合はFR曲げと言った特殊な曲げ方法や、3本ローラーを使ったR曲げによって大きな曲げRを作ることができます。
R曲げはコチラの記事で書いてあります → R曲げ加工
Q2. 施工図の段階で協議出来るとよかった
設計事務所⇔金属工事⇔金属パネルの製作会社
実は、密につながっているかというとそうでもない場合が多いと思います。設計の段階で承認前の施工図と共に相談される場合も会社さんによってあったりなかったりするのが現状です。
「ここは補強を入れた方が強度がでるかな?」
「これだけ巾が(長さが)あると歪がでるかな?」
「ここに(中間部等)補強下地を入れたほうがいいかな?」
などなど、製作側でないとわからない「たわみ」や「ねじれ」などの感覚的意見を聞かれることもあります。しかしこれらの打合せは非常に重要だと考えており、製作側としてもしっかりしたものを作りたいと思っているので施工のやり易さや懸念事項などを挙げながら弊社では進めていくことを方針としております。
※製作工場では強度計算が出来るところが殆どないと思います
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